本紙・山岡も原告に名を連ねている「フリーランス表現者42名による秘密保護法違憲訴訟」第4回口頭弁論が去る1月15日(木)午後3時半から東京地裁で開かれた。 前回の第3回口頭弁論において、谷口豊裁判長から、秘密保護法が施行されるとフリー記者らに何が起きるのか(どんな不利益があるのか)具体的に指摘して欲しいと要請があったため、これに関する原告側の意見を代理人の山下幸夫弁護士(下写真)が述べた。 特定秘密保護法22条2項では「出版・報道に携わる者の取材の自由を保証」している。そして、森まさこ特定秘密保護法担当大臣(当時)は「出版・報道に携わる者」にフリー記者らも含まれると国会答弁している。 しかし、この22条2項を恣意的に利用する可能性がある。 実際、原告の1人、佐藤裕一氏は秘密保護法施行後の今年1月26日、神奈川県警に電話した際、これまでは取材に応じていたのに、これからは取材拒否といわれている。また、記者クラブが拒む例もある。原告の明石昇二郎氏が厚労省の記者クラブ相手の会見で取材をしようとした際、「『週刊プレイボーイ』はジャーナリズムではない」として記者クラブ側から断れている。 一方、フリーの場合、ゲリラ的な取材を行う場合もあるが、先の22条2項は「法令違反または著しく不当な方法によるものと認められない限り」と規程されている。 原告の本紙・山岡は原発事故直後の現状を知るため事故直後、潜入取材したが。施行後はその法令違反を根拠に逮捕される可能性もある。また、フリー映画監督の早川由美子氏は取材を断られたため都市再生機構(UR)理事長を直撃取材したが、同様に今後は逮捕される可能性がある。 また、岩田薫氏は軽井沢市議でもあった長野オリンピック当時、長野市の建設反対運動をしていたところ、『週刊文春』の記事の件で、町議会議長への名誉毀損容疑で家宅捜索を受け、同容疑と関係ない大量の資料を押収されている。秘密保護法適用を理由に、今後、警察が同様の嫌がらせをする可能性がある。 秘密保護法施行後、橋詰雅博氏は防衛省が取材を受けなくなったという。同法では秘密を漏らした公務員も罰せられるわけで、同省は該当する秘密が多いため自主規制した可能性もある。 次回、第5回目の口頭弁論期日は3月12日(木)午後3時半から。同じ103号法廷(今回も約100席の傍聴席はほぼ埋まった)。 原告は「フリージャーナリストとは誰か」、被告・国側に求釈明しており、2月末までに被告はその答弁書を出す予定。 裁判長は、原告本人尋問につき、この答弁も踏まえ考えたいと語っており、本人尋問の可能性はいまも生きている。 ただし、原告の要求している証人尋問までは厳しいと見られることもあり、第4回口頭弁論終了後、場所を四谷地域センターに移し、申請人の1人、元外務省キャリアの孫崎享氏(上写真)に「総選挙後の安倍政権と日本の未来」と題して講演してもらった。そこで、孫崎氏は秘密保護法に関しても意見を述べてくれている(*ココをクリックすると講演会映像が見れます)。…