本紙が何度も報じている、東証2部、ゴム関連老舗メーカー「昭和ゴム」(本社・千葉県柏市)が、いよいよ正念場を迎えている。
昭和ゴムは6月29日、定時株主総会を開催したが、そこで社名変更が承認され、「昭和ゴム」から「昭和ホールディングス」になった。要するに、上場企業としての「昭和ゴム」は持ち株会社になり、その下に従来の「昭和ゴム」などが、事業毎に連なる体制に変えて行く。
対外的には、これは事業の強化に繋がり、5年後にはグループ年間売上高100億円を目指す(09年3月期は39億300万円。約13億円の赤字)としている。
この「中期経営計画」を強力に進めているのは、昭和ゴムの親会社、タイに本拠地を置くファンド会社「アジアパートナーシップファンドグループ」(APF)の此下益司会長(冒頭右写真)。久間章生元防衛相(同左写真)と懇意とされる(決定的証拠は以下に掲載)。
昭和ゴムは資金繰りの厳しさのなか、昨年6月、APFの子会社「明日香野ホールディングス」が昭和ゴムの第3者割当増資(12億4500万円)を引き受け、APF傘下入りした(持ち株比率35・75%)。
そして今年6月、さらに昭和ゴムの第3者割合増資(約2億円)を、今度はAPFの日本法人「A.P.F.ホールディングス」(大阪府松原市)が引き受け、昭和ゴムはAPFの計約43%の株式を所有するに至った。
そして、この株主支配権の下(APFの此下会長の弟・竜矢氏昭和ゴム社長。此下会長自身も取締役)、打ち出したのが前出の持ち株会社化による中期経営計画だったわけだが、これに昭和ゴムの労働組合は反発。株主総会当日午前中、ストライキを決行するに至った。
では、なぜ組合は反発したのか。