アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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斉藤誠弁護士に見るーー「第三者委員会」メンバーも、「第三者委員会報告書格付け委員会」メンバーも有名無実

 日本弁護士連合会には「第三者委員会報告書格付け委員会」(久保利英明委員長)なるものがある。
上場企業などで不祥事が起きたり、重大疑惑が生じた場合、対外的に、社内調査委員会が設けられることがある。しかし、身内が調査しても大甘となることもあるため、利害関係がない弁護士などを指名して「第三者委員会」なるものを設けることもある、そして、一定の調査期間後、「報告書」が出され、たいていの場合、それは広く公表される。
近年では、暴力団向け融資で世間を騒がせたあの「みずほ銀行」、また慰安婦報道を巡る一連の報道について「朝日新聞」が設けた第三者委員会などが注目を集めた。
こうしたなか、最近は、日本弁護士連合会内に設けられた第三者委員会の格付け委員会の結果も注目されている。


第三者委員会のメンバーの中心は弁護士。そのため、全国の弁護士が所属する日本弁護士連合会としては注目される第三者委員会の報告書の格付け、つまり、目を光らせることで、よくいえば報告書の内容をより実のあるものに、あり体にいえば、第三者委員会の名を売り、どんどん仕事を拡大しようというわけだ。
2月26日、その格付け委員会が朝日の慰安婦報道を検証した第三者委員会の報告書についての評価を公表し、全国紙でも報じられた(上写真=「朝日」2月27日記事) 。
評価はA~DとFの5段階で、最低がFの「不合格」。
結果は、メンバー8人の内、実に5人がF(残り3人がD)だった。
 この朝日の第三者委員会の委員長を務めたのは元名古屋高裁裁判所長官の中込秀樹氏(横写真)。その中込氏が「グローバルアジアホールディングス」の第三者委員会の副委員長に就いていて、実にいい加減な報告書を出したことは本紙既報の通り。そうした事実を思えば、第三者委員会も所詮は第三者を装って対外的に取り繕うためのものに過ぎず、委員会メンバーの大物ヤメ検や裁判官は単なるお飾りに過ぎないとも思えるから、朝日のF判定は別に驚くに値しないともいえる。
しかし、では、F評価を出した格付け側はどうかというと、むろん評価するのは身内の弁護士の報告書なのだから、これまた単にF評価を出したことをもって「厳しい評価をする」と評価することは出来ない。
なかでも本紙が今回、注目したいのは副委員長の斉藤誠弁護士(冒頭写真)。
斉藤氏も最低のF評価した1人。
「報道機関として、自らの報道の根幹の判断を他者に委ねたことがまず問題だ」などと、報告書の内容以前、第三者委員会を設けたこと自体に疑問を投げかけている。
しかし、その斉藤氏、そもそもそんなエラソーなことをいえる御仁なのか?
というのも、この斉藤氏に関しては、利益が相反する双方代理をしてはならないという、弁護士の基本中の基本を犯している疑義が出ているからだ。

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