アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

内部・外部告発、情報求む!

(弁護士などのプロが調査。ただし、公益性あるケースに限る)

「秘密保護法違憲訴訟」第6回口頭弁論(原告尋問)報告

予定通り6月3日、本紙・山岡も原告に名を連ねている「フリーランス表現者42名による秘密保護法違憲訴訟」の最大の山場である本人尋問があり、仲間の林克明氏と寺澤有氏が証言した。 まず、林氏は自身、イスラム国に殺害された後藤健二さんの死の真相を探るべく外務省、内閣府官房などに取材した実例を具体的に披露し、すでに秘密保護法が施行された(昨年12月)現状では、同法に抵触しかねないという自粛もあり、役所間をたらい回しされた挙句、“表の取材”では収穫ゼロだったと報告。  そして、この秘密保護法は、自民党が証人に呼んだ憲法学者さえ違憲というのに、安倍首相が強行する安保法制とも連動していると訴えた。 次に立った寺澤氏は、“裏の取材”(調査報道。そもそもこれが本来の取材)について証言した。 寺澤氏は5月14日の安保法制閣議決定後、自衛隊員を取材した。 最近、「隊員家族連絡カード」なるものが作成され、家族の連絡先を3つも、それも各々携帯メールアドレスまで書かされ、一段と自衛隊内の管理が厳しくなっているという。 取材したその隊員は自衛隊内の矛盾を正すという理解の下、何度も情報を得ている寺澤氏とは長いつきあいで、これまでならその証拠のカードコピーをくれておかしくないが、秘密保護法施行後の今回は解説だけ。そこで寺澤氏はカードを見ないとよく理解もできないと要求。結果、ようやくスマホでカードの一部映像を提供してもらったものの記事にその映像を載せることは断られたという(そのため記事にできていない)。  寺澤氏は同じく警察内にも協力者がおり、過去、Nシステム(横写真)に関しても、警察は対外的には犯人特定のためと称しているが、警察内部資料ではNシステムによる映像は証拠として出してはならないとなっており、本当の目的は国民監視のためと暴露したことも。 ところが、秘密保護法施行で以前に比べ警官のリスクも格段に高くなったため、現状、寺澤氏はこちらの取材は自粛しているという。 一方、寺澤氏は過去の取材事例を出し、特定秘密に該当するとしてますます取材が困難になるとも訴えた。 09年6月、パチンコ店を経営する朝鮮総連幹部宅に強盗が入る。13年5月犯人逮捕。寺澤氏はその直後に容疑者から手紙をもらう。自分たちはその総連幹部に、北朝鮮に送金する裏ガネを作るために強盗に見せかけたいということで話に乗った狂言強盗だと。金属探知機を現場に持参し犯行後、忽然と消えた「松田」なる仲間がいたといい、寺澤氏はこれは公安により作られた事件だと確信。もっとも、警察は「松田」なる者は存在しないと主張。  このような公安の関わると思われる事件の場合、今後は秘密保護法に該当するとして完全に真相は闇に葬られ、公安はやりたい放題になるとも。 そして林氏も、寺澤氏も谷口豊裁判長に歴史に残る画期的な判決を求めた。 その後、こちら原告側代理人弁護士・山下幸夫氏は、さらなる証人尋問などを求めたが、裁判長は被告(国側)は原告主張に対し反論をしていないので必要ないと考えるとし、今回で結審の雰囲気。 ところが、被告側が「反論したい」といったことから続行に。次回7回目口頭弁論期日は8月21日(金)午前10時30分から。法廷は101号に変更。ただし、ここで互いに最終準備書面を提出し、いよいよ今度こそ結審の見込み。…

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