アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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(弁護士などのプロが調査。ただし、公益性あるケースに限る)

本当に必要!? いまも24時間態勢で「ひかりの輪」を監視する公安

 公安調査庁は公安審査委員会に更新請求し、今年1月、オウム真理教への5回目の観察処分が決定している。
団体規制法は、メンバーが無差別殺人を行った場合、再発防止のため、その団体の使用する建物に立ち入り設備、帳簿書類などの検査が出来る。そして3年毎にさらに継続するか決めるとしている(00年1月に1回目の決定)。
しかし、現在「アレフ」を名乗る旧オウム真理教に対してならまだしも、分派の「ひかりの輪」(東京都世田谷区。冒頭写真は入居マンション)に対して本当にどこまで必要性があるのか?
ひかりの輪は、上祐史浩氏(52。下左写真)らの脱麻原派によりアレフから独立し07年5月に設立された。
公安調査庁はひかりの輪を「オウム真理教上祐派」、「教団上祐派」などと呼び、依然、こちらも麻原の影響下にあると見ている。

しかし、松本サリン事件(94年6月。地下鉄サリン事件は95年3月)の被害者である河野義行氏(65。横右写真)を委員長、犯罪者更正などを研究する大学教授、伝統宗派の宗教法人責任役員らで構成する「ひかりの輪外部監査委員会」はオウム研究を専門とする宗教学者の意見も聞いた上で、今年1月までの3年間で、観察処分の適用要件に該当する事実は何ら認められなかったと結論づけているのだ。
「監査委はひかりの輪の活動に参加した2000名以上にアンケート調査を実施しているが、麻原信仰、オウム事件肯定など一切なかった。またこの間、上裕は麻原・アレフを徹底批判した本を3冊出しているし、出家制度も廃止しています」(監査委関係者)
それどころか、この間、公安調査庁はひかりの輪のメンバーに金品を渡して「会ってくれれば後は適当に書くから」といい、自分たちに都合のいい発言箇所だけ切り取ったり、意味を歪曲した、供述者の署名がない調査書を出すなどし、それが観察更新の証拠にされているとして、昨年11月、ひかりの輪は公安調査庁(国)を相手取り名誉毀損訴訟を提起しているのだ。
併せて、いま現在も公安調査庁はひかりの輪本部前に「公安調査庁詰所」の看板が出たプレハブ小屋を設置(下写真)して、ほぼ24時間態勢で監視。ひかりの輪を訪ねる者は、片っ端から事情聴取している。

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