参院で審議中の「安保法案」に反対する声が高まる中、国会裏の参院議員会館前で8月27日午後、都内の学生たち10数人が、同法案の廃案を訴えて、ハンガーストライキの開始を宣言した。 ハンスト宣言をしたのは、都内の学生らでつくる「安保関連法案制定を阻止し、安倍政権を打倒するための学生ハンスト実行委員会」(同団体のブログはこちら)。ハンストをおこなうのは都内の私大生4人で、参院議員会館前で24時間の座り込みを続けるという。 午後2時より、支援者と取材記者に囲まれながら集会が開かれた。まず司会の学生が「私たちはなぜハンストをおこなうのか」と趣旨説明をおこなった。そのなかで安保法案を「自衛隊の海外派兵を含む(米軍への)直接的な戦争支援を可能にするもの」とし、安倍政権の姿勢を「立憲主義破壊の集大成」と批判。「戦争準備を止めるため、やむをえずハンストという手段をえらんだ」と説明している。 当該4人の1人、井田敬さん(上智大学2年生。写真左端の人物)は「戦後日本は平和だったというが、朝鮮戦争、ベトナム戦争に間接的に関わってきた。イラク戦争には自衛隊も送っている。戦後日本が問われている」とアピール。同じく学生の反戦団体「SEALDs」が、その声明で「私たちは、戦後70年でつくりあげられてきた、この国の自由と民主主義の伝統を尊重します」と述べているのと対照的だ。 開始宣言が終わると、沖縄県の辺野古新基地に反対する市民が、沖縄民謡を歌って学生たちを鼓舞。さらに、国から立ち退きを迫られている「経産省前脱原発テント」の責任者や、70年安保世代の男性、現役の高校生もかけつけ、次々と連帯のアピールをした。それぞれ体調を気遣いつつも、「腹が減っては戦はできぬというが、腹を減らして戦をとめよう」等と励ました。 ネット上では開始前から、ハンストへの揶揄や冷笑も散見される。しかし学生たちはみずからの意志で、身を削って、夏季休暇の貴重な時間を割いてまで戦争反対の意思表示をしており、賛同の声も高まっている。 来る8月30日には、国会周辺で安保法制反対の大規模な抗議行動が予定されている(詳しくはこちら)。安倍政権は今国会中にあくまで安保法案の成立を狙おうとしているが、抗議の声がますます高まるのは必至だ。…