アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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[富士山塊盗水疑惑](連載1):1審判決取り消し、実質、「加ト吉」「JT」救済ーー東京高裁判決

 本紙既報の富士山塊盗水疑惑訴訟の控訴審で、東京高裁(小林克巳裁判長)は8月19日、1審・甲府地裁都留支部の判決(08年12月26日)を取り消し、実質、冷凍食品大手「加ト吉」と、その親会社である東証1部「日本たばこ産業(JT)」を救済する逆転判決を言い渡した(冒頭写真=判決文)。
原告は富士山塊の土地の所有者であり、被告はその土地を通る送水管の所有者である山梨県西桂町。
この送水管はあくまで同町の緊急用飲料など公益目的のために引かれ、当時の土地所有者(故人)はそれならばと無料で所有土地内に送水管が通ることを許可したと思われる。(横写真=関連の全国紙記事。ただし加ト吉、JTに触れた記事は皆無)
 ところが、実際には、世界的食品メーカー・ネスレの日本法人「ネスレ日本」が販売するミネラルウオーターを水源から工場に運ぶことが主目的だった。その後、この権利は、東証1部「日本たばこ産業(JT)」の子会社である大手冷凍食品会社「加ト吉」(香川県観音寺市)に売却されている。
そのため、日本ネスレ側と、当時の西桂町長との間には贈収賄疑惑さえ出ていた。
さらに、この土地周辺一帯は「富士箱根伊豆国立公園」地域内で、送水管敷設には県の許可がいるところ、西桂町と業者側との疑惑に対し、この間、県が毅然とした態度をとらないことから、もっと大きな政治的圧力説も出ており、その根は相当に深いと思われる。
そこで、本紙ではこの件を連載で取り上げて行くつもりだ。

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