アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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<連載>アッシュブレインの資産運用ストラテジー「今週の相場展望(10月10日~10月13日)&MY注目銘柄」(第54回)

■プロフィール 投資歴17年、出版社勤務の兼業投資家。資産は2015年に一時1億円越えとなるも現在は横ばい近辺で推移。投資に必要なのは1に「メンタル」、2に「需給」、3に「ファンダ」だと考えており、勝ってもおごることなくたえず反省を繰り返し、安定して資産を増やす投資を心がけている。

≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
先週金曜日の日経平均株価の終値は20,691円と前週比+335円の上昇となった。そしていつものように土曜朝の日経平均CFDを確認すると20,684円とちょい下で戻っている。
先週は5日に中期的な財政の大枠を決める「予算決議案」が米議会下院で可決され、トランプ大統領の税制改革が前進したことが安心感となり、加えて米9月ISM製造業景況感指数が「60.8」と13年ぶりの高水準、米9月ISM非製造業景況感指数も「59.8」と12年ぶりの高水準だったことから先週も力強い株価推移となった。 こうなってくると2015年6月26日につけた20,953円はタッチしにいく可能性が高い。※バブル崩壊後の高値は22,666円(終値)。
しかし、現段階でははっきりとした兆候こそないものの、北朝鮮が米西海岸を攻撃できることを誇示する「ミサイル発射リスク」がくすぶる中、こうまで相場が強くなってしまうと、日本海に原子力空母・ロナルドレーガンなど3隻が来ようが、有事リスクは無視されてしまうようだ。北朝鮮問題に敏感な反応を示す韓国国債のCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)も10月に入って足元でやや低下傾向を示している。ここからは大きなきっかけがないと相場急落の可能性は低いということだろう。
とはいえ冷静に現時点での日米の株式の評価をみてみると、ここからガンガン買っていくことがリスクでしかないことに気がつく。
まずは米国のNYダウからみよう。10月6日時点で、PERが19.3倍。2010年以降のNYダウは、概ね13倍~17倍の間で推移してきた歴史から、いまが割高だということがはっきり示されている。そして日本。日経平均こそPER14.62倍であり、平時は14倍~16倍までがニュートラルだとするとまだ上値が望めそうだが、TOPIX(東証1部全体)でみるとPER16.14倍、これがジャスダックでみると19.19倍となり高値圏のアラームが鳴り響いている状態だ。
前述した米国の「税制改革」は、上院では財政赤字拡大を嫌う勢力(フリーダムコーカス)が一定数おり、彼らの説得は難しく年内の可決は見通せない。この調子だとさらなる景気浮揚政策となる「1兆ドルのインフラ投資政策」に関してはまだまだ先の話となりそう。そもそも財源として期待された「オバマケア代替法案(※撤廃し修正する)」は、相変わらず上院の審議入りに向かう、などというきっぷの良い話はでておらず、トランプ氏は大統領就任してからまだ何も実現できていないことは忘れてはならない。ようするに今の株価水準は期待だけで出来上がった砂上の楼閣で、正当化するためにはトランプ大統領の政策が成立しなければならないのだ。
さて、今週のストラテジーに移りたい。週明け10日(火)に衆議院選公示、22日(日)に投開票を迎え、今週来週は、株式市場も選挙モード一色となる。そうなれば必然的に選挙公約に絡んだ銘柄の動意があってしかるべきだろう(※銘柄は以下の「注目銘柄」を読んでいただければ幸いです)。
そのなかで気をつけなければならないのが、13日(金)のSQ。北朝鮮問題でも絡んで何かことが起これば、ヘッジファンド恒例の「SQ前の売り仕掛け」が発動される危険性がある。ただ、現時点では今週は、選挙スタート週だということもあり、底堅い市況で個別株優位の展開がメインシナリオだろう。そして今週よりも気をつけなければならないと肝に銘じているのは、来週の投開票を控えた18日の中国共産党大会後の株価推移。現時点ではハードランディングはなさそうな雰囲気ではあるが、それを織り込んで株価が堅調な以上、材料出尽くしとなりそう。また11月末決算を控えた米系ヘッジファンドの投開票前の利益確定ラッシュも怖い。下記のテクニカルデータ「裁定買い残」の項で詳細を記すが、そろそろ売ってきそうな臭いがプンプンしている…。
ただ、仮に前述したような流れでなかった場合、ようするに日経平均株価が出来高を伴って200円でも下落することがあろうものなら、まずはリカクしていったん様子見をオススメしたい。いまは高値圏であることは疑いの余地がない。

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