11月下旬、主要な大手マスコミで、米空母艦載機の陸上離着陸訓練(FCLP)のため、わが国政府が、鹿児島県の無人島、あの馬毛島を買収する見通しで、年内にも合意になるとの内容が報じられた。
買収額は110億円から140億円になるとのことだ。
もっとも、馬毛島の買収話は2011年6月に持ち上がり、馬毛島の大半を所有する「タストン・エアポート」(東京都世田谷区)と防衛省との間での話し合いは16年から本格化するも、買収額を巡り、防衛省側の約50億円とタストンの最大500億円と大きな格差があったことから話し合いは頓挫していた。
それがなぜ、突如、まとまる見通しになったのか?
大手マスコミの報道を見ると、(1)タストン社に対する「益田建設」(埼玉県八潮市)の破産申し立て(今年6月15日決定)については今年8月29日に取り下げになり、さらにその前の今年8月17日に決定が出た別の2社の破産し立ても10月22日に取り下げになったこと、そして(2)タストン社の立石勲氏が10月15日に退き会長に、代わって次男で副社長だった立石薫氏が就任した事実が大きいとしている。
しかしながら、本紙既報のように、この間、話し合いが頓挫していた理由のなかには、防衛省の担当部署にいた幹部に俄には信じられないものの中国人スパイで、意図的に難癖をつけて話をまとまらないようにしていたとの説があった。ところが、その幹部が今年8月上旬までに実質、解任になったという。
すると、ほどない8月29日に益田建設は申し立てを取り下げにしている。
そもそも、タストン社は益田建設の主張する債権額3億7000万円をすぐ供託していた。それにも拘わらず、益田建設がそれを受け取らず、破産させる意図が不明だった。