アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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≪連載(109回目)≫アッシュブレインの資産運用ストラテジー 今週の相場展望(11月26日~11月30日)&MY注目銘柄

■プロフィール 投資歴18年、出版社勤務の兼業投資家。投資に必要なのは、1に「メンタル」、2に「需給」、3に「ファンダ」だと考えており、勝ってもおごることなくたえず反省を繰り返し、安定して資産を増やす投資を心がけている。

≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
 先週末の日経平均株価の終値は21,647円と、先週末比で-33円の小幅下落となった。事ここに至る過程で、水曜日には大きく下を試す展開があっての寄り底上昇で引け、改めて21,500円での底堅さを確信した―――と思ったら、勤労感謝の日で休場だった23日(金)に「米中貿易摩擦の進展が危ぶまれる」との懸念がピ-クとなり上海市場が急落。その夜には米国株式市場(NYダウ&S&P)も10月の安値を終値ベースで下回る大参事となり、市場のムードは一気に暗くなった。
その結果、日経平均CFDは21,509円まで売り込まれて戻ってきている。おそらく週明けの日経平均株価は、21,500円の重要な節目近辺で寄り付きそうだ。
そもそも世界が注目する「米中貿易戦争」において成否の鍵を握るとされていたのは、習国家主席の政策ブレーン・劉鶴副首相の米中首脳会談前の「事前訪米」であった。ところが、アジア太平洋経済協力「APEC」首脳会議で、マイク・ペンス副大統領と習主席双方が、相手国に対する批判演説をしあったため、訪米は急きょ取り止めに。挙句の果てにそのあと劉鶴副首相は、親・中国で知られるドイツを訪問したことで、米国の怒りのほどは容易に知ることができるだろう。こうなってくると、今週末11月30(金)から行われるG20での「米中首脳会談」の結果は推して知るべしだろうか。
ただ、どうしたわけか? トランプ大統領は米中貿易戦争に軟化した態度をとっているようにもみえる。ただ、中国側が出してきた、「対米貿易黒字削減のための関税引き下げや、輸入増など142項目の行動計画」に関しては。そもそも米国の琴線に触れているかたいへん疑問だ。米国が要求しているのは、中国の国を挙げてのハイテク産業育成策「中国製造2025」の見直しであり、上記の提案内容では米国の譲歩が引き出せるとは思えない。

米国側が、米中貿易戦争を終結させる気がないことは、22日(木)に、「米政府は同盟国に対して、サイバーセキュリティ上のリスクから、中国「ファーウェイ」製品を使わないように呼びかけを始めた」との報道からも確かだろう。日本やドイツ、イタリアなど米軍基地がある国には、特に強い要請となりそうだ。そもそも米国は、中国の国力弱体化を真剣に考えている節もあり、米中貿易戦争は、2020年11月の「大統領選挙」までは、収まらない可能性が高いのである。
そして残念ながら、11月22日「経済協力開発機構(OECD)」は、世界経済の拡大はピークを越えた、と公表した。「米中貿易摩擦の影響、欧州、中東の政治不安も相まって世界貿易はすでに減速をみせており、今年3.7%成長が、来年は3.5%成長となる」と予測しているようだ。
 足元では、中国を例に挙げると、社債のデフォルト増加の報道やクレジットリスク、PMI指数の低下が取りざたされ、すでに上海株式市場は最もボロボロの状態。そして世界経済の減速見通しを占うかのように、原油市場は、10月に75ドルちょいの高値をつけたあと、たった2ヶ月で35%もの調整となる50ドルを割り込もうかとしている。これはどう考えてもただごとではない。

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