アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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これが8億円脱税で逮捕・起訴された暴力団組長のダミー会社群

 本紙は昨年10月、東京地検特捜部が東京・銀座の一等地の旧「秀吉ビル」(冒頭写真=建て替えられた現在の同ビル)を巡る脱税容疑で、複数の関係先を強制捜索したことをスッパ抜いている。
その後、今年1月20日、この稲川会系組長・中村富夫被告(60)は逮捕され、すでに2月9日起訴されている。
もっとも、その後も容疑を否認していることなどから、いま現在も保釈にはなっていない模様だ。
今回、この件を報じるのは、その後の別件事件などの取材の結果、中村被告関連の複数のダミー会社などの存在が明らかになったためだ。
中村被告が実質、経営の「湊開発」(東京都港区)が、この旧「秀吉ビル」の土地の借地権と建物の所有権の大半を取得し、不動産会社「クオリケーション」に売却したのは05年7月。
売却価格は約44億円で、実に約26億8000円の利益を得ながら、間に赤字のダミー会社「東京公営」(港区)を噛ませ、仕入れ費名目でダミー会社に利益を付け替え赤字と相殺するなどして課税される所得を発生しないようにし、法人税約8億円を免れたとされる。
中村組長の組は、不動産の他、金融業も手掛け、稲川会のなかでも有数の資金力ある組織とされる。都心部の不動産取引は長年、暴力団の有力資金源とされ、また納税もしていないと見られるが、しかし、複数のダミー会社を複雑に介在させているため、これまで暴力団当事者が逮捕される例は極めて稀。今回は、中村被告の関連口座に20数億円が入金されていたことが確認できたことから、逮捕・起訴に漕ぎ着けることができたようだ。

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