アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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“乗っ取り”!?ーー九州大手「昭和グループ」株式巡る訴訟

「昭和グループ」(冒頭写真。本社・福岡市)は、佐賀県唐津市を拠点に展開する路線バス事業を中心とした「昭和自動車」を中心に、いまやタクシー会社「福岡昭和タクシー」、「福岡トヨタ自動車」「西九州トヨタ自動車」「トヨタカローラ福岡」「ネッツトヨタ福岡」「ネッツトヨタ佐賀」などの自動車販売会社、マクドナルドFC28店舗経営「昭和フード」、幼稚園・保育園気経営「昭和学園」など、幅広い事業を九州北西部中で展開。従業員は4000名以上、年商は2000億円に迫る一大企業グループだ。
同グループ創始者・金子道雄氏(横写真)は明治38年、佐世保の貧しい家庭に10人兄弟の長男として生まれ、16歳で「青木洋鉄商店」に丁稚奉公に。そして金子氏が支配人をしていた34歳の時(昭和12年)、青木洋鉄商店が「昭和自動車」の経営権を譲り受けたのが今日の昭和グループの始まりだ。
 現在、この昭和グループ並びに昭和自動車を率いているのは金子晴信氏。創始者・金子道雄氏の息子であり、昭和グループ並びに昭和自動車は金子一族の同属企業になっている。
ところが2010年4月、「親和銀行」本店から前出・青木洋鉄商店の創業者で社長だった青木栄蔵氏の孫に連絡が入る。
かつて金子道雄氏が同行からカネを借りた際、担保に入れられていた青木栄蔵氏その親族所有の「昭和自動車」などの株券が見つかったので返済したいというのだ。
そして、1年かけて手続きしその株券を遺産相続で孫は手に入れたのだが、昭和自動車がその株券を真正なものと認めないことから14年に「株主権確認訴訟」、さらに15年には昭和20年代に昭和自動車が3度に渡り増資した件につき「新株発行不存在確認訴訟」を提起。両訴訟は併合され、現在も審尋中だ。
孫側によれば、この数十年ぶりに金庫奥から出て来た株券について検討する過程で、俄かには信じられないことながら、後に唐津市長まで務めた金子道雄氏が、実は正当な手続きを経ないで増資を行いその大半を自分所有とし、昭和自動車を創業した青木一族側から“乗っ取った”可能性が出て来たというのだ。

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