アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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<連載>脱税請負疑惑グループを追う――「第3回 脱税疑惑方式=Sスキームとは!?」

 この脱税請負疑惑グループ(以下、便宜的にBグループと呼ぶ)が、在日のパチンコ企業を中心に売り込み、結果、年商100億円以上の企業を少なくとも10社以上顧問先として抱えることができたのは、同グループがいうところの「Sスキーム」なるもののお陰だ。
これは、いったいいかなるものなのか?
Bグループは1998年7月、「自らの顧問先に対して現物出資による子会社設立を提案し、実行することで、未実現損失の実現化を図り、その後、国税当局による当該損金が是認されたことを契機として展開されるようになった組織再編成の手法」(内部資料=冒頭左写真、より抜粋。一部要約)をSスキームと呼ぶとしている。
ここでいう「未実現損失の実現化」とは、簡単にいえば含み損の捻出による税の軽減=“節税”を意味する。ただし、「国税当局による当該損金が是認された」との“是認”はあくまでBグループの言い分に過ぎず、国税当局にすれば“否認”できる材料がなかったに過ぎないというのが妥当な表現であると思われる。
Bグループがいう「組織再編成」は、1999年以降の数次に渡る商法改正により認められることになった諸法制、特に“会社分割”法制を活用したものを指す。
一例を紹介すると、既存のパチンコ企業とは別に人材派遣の子会社を作り、そこからパチンコ店に人員を派遣することを勧める。
パチンコ企業社員の給料は同水準の他の企業と比べて決して安くはないという。それにも拘わらず社員の定着率が低いのは世間が“パチンコ店店員”に対し負のイメージを持っているからで、別会社を作って派遣、つまりアウトソーシングすると“パチンコ店店員”ではなくなるので、負のイメージが払拭され、結果、社員の定着率も高まるという。
では、「現物出資」とは具体的に何を指すのだろうか?

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