アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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法然上人の教えはどこに!? 浄土宗「済海寺」で起きた墓地撤去問題

  法然上人(=冒頭写真。1133?1212)といえば、浄土宗(総本山は京都の知恩院=下写真)の宗祖。「南無阿弥陀仏」を唱えれば誰もが仏の救済を受け、平和な毎日を送り、浄土に行けるという他力の教えを説き、それまで貴族だけだった仏教を大衆のために広めた。
来年、その法然上人が亡くなってちょうど800年を迎えるということで、すでにいろんな行事が行われているが、その法然上人の教えに反するとしか思えない問題が、「済海寺」(=下写真。東京都港区)で起きている。
11月8日付で、同寺の壇信徒の一部、約50名に対し、同寺の代理人という弁護士から手紙が出された。
その内容は端的に言えば、同寺における墓地の「一時使用」が今年12月末で終了するので、それまでにお墓とお骨をどこかに持って行ってくれというものだった。(ただし、来年2月末まで猶予期間を設ける)。
詳細は後述するが、この件を巡っては「一時使用」との表現があるように特殊事情があることはあった。
だが、一方的な突如の通知。そして、済海寺の久家道裕住職はすべて弁護士任せで、1度の説明会も開かず、また、なぜ12月末までかの理由も何ら告げないなか、強い者に刃向かっても致し方ないと諦める壇信徒も少なくはないものの、「了承できない」として、すでに21名(12月22日現在)参加で「被害者の会」が結成されている。
 了承できないのは無理もないだろう。
特殊事情と言っても、壇信徒には何ら責任はない。それに、墓石はその寺の利権(指定の墓石業者が決まっている)から、例え新たなお寺を見つけてもまずお墓は持っていけない。また、例え泣く泣くこれまでのお墓を処分したとして、新たなお寺に引っ越すとすれば永代供養料と石材一式で軽く数百万円の費用がかかる。これに対し、今回の壇信徒の多くは高齢で、生活も豊かでない方も少なくない。
このままでは、多くの壇信徒は墓石とお骨を持って追われ、路頭に迷うことにもなる。
弱者救済が法然上人、そして浄土宗の理念のはずだが、なぜ、こんなことが罷り通ろうとしているのだろうか。

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