5月12日の「朝日」が、中古マンションを1棟丸ごと買うなどの投資で、書類が改ざんされ融資が実行され、割高な物件を買わされたとして、岡山県内の30代男性が「スルガ銀行」(8358。東証1部。静岡県沼津市。京都支店の担当行員も)などを相手取り、計約2億2800万円の損害賠償を求めて大阪地裁に提訴したと報じている。
提訴日は4月27日。
「かぼちゃの馬車」などシェアハウス投資で融資資料の改ざんが相次いで発覚しているが、そのなかでスルガ銀行への投資家の提訴は初と見られる。
もっとも、「朝日」記事では、スルガ銀行が提携金融機関だった、一緒に提訴された不動産会社、投資家との間を取り持った勧誘者の名前は明かされていない。
本紙が入手した訴状などによれば、提訴された不動産会社代表と勧誘者は、そもそも別の不動産売買仲介会社において先輩・後輩の関係だった。
原告はその2人が以前勤務していた不動産売買仲介会社時代から、取引を通じて勧誘者を知っていた関係から2人を知り、月々の家賃収入がローン返済額を2から30万円上回るし、ローン返済が終われば家賃収入がそのまま入るといわれ、スルガ銀行から融資を得て不動産購入したという。
ところが、家賃収入表の内容は改ざんされたもので、実際は毎月大幅な赤字だったし、スルガ銀行から融資を受けるに当たっては、融資は購入額の9割までしか受けれないため、実際の購入価格より割増価格で購入したように改ざん、さらにスルガ銀行から融資を受けるに当たり提出した原告の預金通帳残高、源泉徴収票などは水増しした数字が書き込まれ同じく改ざんしたものだったという。
そうしたことから、原告は「不正をしてまで買いたくなかった」として、提訴したという。