アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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山梨県警組対本部の不倫「捜査」--記事出ても、不倫部下の異動のみ

 会員制総合情報誌『ベルダ』に、問題の内容が1頁記事になって登場したのは今年5月号においてだった(冒頭写真)。
山梨県警本部の組織犯罪対策課の50代捜査員が、同本部内で勤務する公益財団法人の女性職員とW不倫関係に。
よくある話で、そのことだけなら『ベルダ』もあえて取り上げなかったと思われる。
取り上げたのは、通常、警官の不正や問題行動は監察課が当たるところ、不倫を疑った直属の上司は監察課に報告せず、別の部下の捜査員に命じて、その不倫を疑う部下を付けさせていた(行動確認していた)からだ。
この“行確”はむろん通常の勤務中に行われ、警察車両が使われた。それは、我々の税金で賄われていることはいうまでもない。地方公務員法35条(職務専念義務)違反の可能性もある。
何しろ山梨県警といえば、指定暴力団「稲川会」の2次団体で、甲府市に本部を置く「山梨一家」が2011年に分裂。2年半前に抗争は終結したものの、この間、数十件の発砲事件が発生。そのほんとどが今も未解決で、やらなければならない仕事は山積みだというのにだ。
ところが、今回、組対捜査員がこの不倫の「捜査」をしていたのは、不倫した部下を自分が班長に抜擢するなどしていたことから、今後の自身の出世に傷が付かないように内々に事実確認し処分しようと、つまり自己保身からの可能性が高いというのだ。
これでは命じられた部下もたまったものではないだろう。
で、実際、この2人の後を付けたところ、甲府駅北口方面のホテルで過去20回以上、逢瀬を重ねていたことが判明したという。
結果、今年3月に不倫していた捜査員は所轄署に異動、相手女性は退職(ちなみに、女性の夫も山梨県警勤務で管理官)。
ところが、『ベルダ』が出て、以上、述べたような大枠が判明したにも拘わらず、未だ不倫の捜査をさせた上司は何らお咎めなしだという。
「『ベルダ』が会員制情報誌で、極めて一般人が目にする機会が少ないので……。我々警察は、そもそも身内を庇う傾向が強いですから、それなら放置しておこうと。しかし、上司が不倫『捜査』を命じたことは明らかに誤りです。その動機にも、同情の余地はありません」(組対関係者)
というわけで、本紙に告発があったわけだ(その前に複数の新聞、週刊誌などに情報提供されているがすべて没に)。

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