■プロフィール 投資歴18年、出版社勤務の兼業投資家。投資に必要なのは、1に「メンタル」、2に「需給」、3に「ファンダ」だと考えており、勝ってもおごることなくたえず反省を繰り返し、安定して資産を増やす投資を心がけている。
≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
金曜日の夜は、結果的にだが徹夜となり「世界の株価」を見るはめになった。が、そこで、すごい光景をみることができた! 金曜のNYダウは出来高が異常に多く、パニック売りの様相を呈し、場中AM4:30に、パウエルFRB議長の緊急声明で「経済を支援するために適切に行動する」との発言があっても、小反発後、チャートに小山ができるくらいの効果しかなく、その後は下値を切り下げそうな勢いとなり、絶望の淵に立たされていた。
AM5:30になり、筆者としてもまるで反発しないNYダウにかなり嫌気がさしていたものの、指標においては、ほとんど底入れを示唆していたため、さすがに最後は「多少リバウンドするだろう、月の入れ替わりの需給もあるだろう」と奮い立ち、最後まで見きることに。そして訪れたAM5:50。なぜか、引け間際であるのに出来高が急減したかのような緩慢な動き方になった刹那、そこから明確に上がりだした!
ただ、AM6:00が大引けのため、「もう遅いだろ…」と厭世的な気持ちで見守っていたが、そこから一気に10分足らずで、+530ドル近い大反発をみせ、場中の高値近辺まで大リバウンド。その後の時間外取引でも、出来高がないまま上昇し続け、結局NYダウは、最安値から1010ドルもの大リバウンドを見せたのだ。
率直な感想として、これは信じられない動き方で、売り方にはあまりにむごい仕打ちになったことだと感じた。確実にかなりの売り玉が取り残されてしまっているため、今週はリバウンドから相場が始まりそうだ。
そんなこんなで、先週末の日経平均株価の終値は21,142円と、先週比-2,245円(前稿比▲301⇒ ▲140→ +623→ ▲622→ ▲214円→ +190円→ +194→ ▲160→ ▲206→ +669※12月2週目)と崩落的な暴落となった。日経平均CFDも21,121円と小幅安だ。かたやNYダウは、週間で3,583ドルもの大暴落となっている。
今週は、株式投資で生き残るための、「金科玉条」から始めたい。
(1)VIX指数20越え
この指数が20を越えたら、下回るまでは一時的にポジションを縮小しなければならない。
20を超えるとリスクパリティファンドが、売りを開始しやすい。
(2)日経平均とNYダウの直近安値に注意
当たり前だが、このラインを下回ると、需給の観点から暴落となりやすい。今回は日経平均、NYダウともに祝日・月曜日にこれを下回っている。
(3)米国のSQ
毎月、第2週の金曜日の日経平均SQも気をつけなければならないが、米国の株価に世界の株価が連動することから、米国のSQは絶えず頭に入れておかねばならない。現物や信用玉などよりも、オプションや先物の玉のほうが、圧倒的に高レバレッジなため、これが抜けるSQ後には、株価の動きが一方的に振れやすい。
(4)移動平均線の収斂
今回は、日経平均株価に見られたが、これが収れんしてくると、上下に動きが加速しやすいので意識したい。また200日線を下回るような弱い動きの時は、株価はそこから加速度的な動きとなりやすい。
先週の筆者のトレードを振り返ると、今回は、(1)が月曜日に起こったため、保有する大型株を半分損切で処分した。また200日線を下回った木曜日に、値持ちがよかった大型株を全部損切して、小型株だけ残した。
筆者は残念にも、マザーズ先物をある程度保有したこと、また小型株の下げもひどかったことから、かなりの含み損となっているが、幸いにも上記の理由で多少の余力があったため、金曜日の引け間際に日経平均の先物を少し買うことができた。ただ、点数をつけるなら30点くらいのトレードだろうか。
いまは、新型肺炎(コロナウイルス)の蔓延ぶりを、目を皿のようにして見守るつもりだが、そんなことよりもNYダウが出来高を伴って上げ始めるようなことが起きるまでは、全力投資とならないようなポジションを取る考えだ。