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<*新連載* 漢方専門家・平地治美の健康の勧め>「第30回 ヨモギの効能」

筆者・平地治美(薬剤師。鍼灸師)。漢方の良さを伝えるため、日々の臨床では治療だけではなく自然治癒力を高めるための“養生”の指導に特に力を入れ、一般の人たちへの健康指導を積極的に行う。朝日カルチャーセンター新宿、津田沼カルチャーセンター等で「女性のための漢方レッスン」「舌診入門」「季節の過ごし方と食養生」などの漢方関連の講座を担当。和光治療院・漢方薬局(千葉市若葉区TEL043-232-6258)で治療。千葉大学医学部医学院和漢診療学講座非常勤講師。京都大学伝統医療文化研究班員。日本伝統鍼灸学会理事。漢方三考塾講師。著書に『げきポカ』(ダイヤモンド社)、『舌を見る、動かす、食べるで健康になる』(日貿出版)。「平地治美の漢方ブログ」発信中。

ヨモギは、世界各国に自生する分布域の広い植物です。
聖書にも記載があり、「ハーブの女王」と呼ばれて古くから使われてきました。
西洋では食用や薬用の他、魔法や呪術にも用いられていたそうです。また、エジプトではピラミッドを建てた時、ヨモギを奴隷たちのスタミナ源にしたという記録があります。
日本では別名を「もちぐさ」と言い、古来から食用、薬用に広く利用されてきました。
食材としてのヨモギの旬は3から5月。
そこで今回は、このヨモギのいろんな使われ方を紹介させていただきます。

●薬としてのヨモギ

西洋薬の研究においては、ヨモギはマラリアの治療に有効であることが分かっています。
かつて南方戦線に従軍した日本兵士の多くがマラリアに感染し、キニーネ(マラリアの治療薬)の不足から命を落としました。その際、キニーネの代わりによもぎの絞り汁を飲ませたところ何人かがマラリアに打ち克ったという記録があります。


ヨーロッパでは婦人科の民間薬として親しまれてきました。ヨモギの学名の「アルテミシア」という語は女神アルテミスを表しており、女性の健康を守るというところから引用されたと思われます。
漢方薬においても、ヨモギはなくてはならない植物です。
「?帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)」という処方に配合されており、この処方は冷えを伴う下半身の出血(月経過多、痔出血)などによく使われます。安胎作用もあるので、?帰膠艾湯は流産防止にも使われることがあります。

●薬玉(くすだま)とヨモギ

「くすだま」という言葉の由来をご存知でしょうか?
昔から冠婚葬祭のとき、「薬玉」(くすだま)を贈る風習がありました。かつての薬玉はヨモギに五色の絹糸を結びつけたものだったそうです。
その後、木香、沈香、丁字、甘松、竜脳などの良い香りの生薬を錦の袋に入れ、これにヨモギ、ショウブ、造花などを飾りつけるようになったと言われています。

●艾(もぐさ)

お灸に使う艾(もぐさ)はヨモギから作られます。
鍼灸学校の一年生の時、お灸の授業の実習で艾を作りました。ヨモギを採集し、乾燥させた後に葉をすり鉢ですり、ふるいをかけ不純物を除く作業を何度も繰り返して艾が完成します。
ヨモギの葉の裏には白い毛がビッシリとついているのが特徴ですが、最高級の艾はこの白い毛のみを集めて作られます。

●ヨモギ蒸し

韓国の民間療法にヨモギ蒸しがあります。
ビニール製のマントを着て保温し、椅子の下からよもぎの蒸気を直接陰部に当てる、という療法です。
婦人科疾患、冷え、ダイエットなどによく効くそうです。
残念ながら、睾丸を温めるのはよくないので男性はできないそうです。

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