■プロフィール 投資歴18年、出版社勤務の兼業投資家。投資に必要なのは、1に「メンタル」、2に「需給」、3に「ファンダ」だと考えており、勝ってもおごることなくたえず反省を繰り返し、安定して資産を増やす投資を心がけている。
≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
先週金曜日の日経平均株価の終値は23,113円と、先週比-190円安(前稿▲89円⇒ +541円→ +51円→ +307円→ +694円→ +389円→ ▲469円→ ▲200円→ +91円→ +788円→ +496円→ ▲7円→ +292円→ ▲266円→ ▲419円→ ▲517円)となり、2週続落となった。日経平均CFDは22,169円(※土曜時点)と小幅上昇している。先週のNYダウは、週間で-129ドル(※前稿では▲324ドル⇒ +334ドル)。
今週の株価を占う、最大のイベントは「香港人権法案」であることに異論のある人間も少ないだろう。先週に米国・上院でも可決し、あとはトランプ大統領の署名待ちという状態になっている。大統領には10日以内の署名が求められ、数日中にサインするとの報道も出ている。ただ、法案が成立すれば「報復する」と恫喝する中国が、どうでてくるか? 今週はこのイベントにつきる。ただ仮にトランプ大統領が拒否しても、上下両院それぞれ3分の2でこれを覆して可決することができる、ということで、相場には折り込んでいるか!?
そして、12月15日からの第4弾対中追加関税や、関税撤廃については両国オトナの対応をみせていることもある。中国の劉鶴副首相(横写真)は、米国USTRに対して、月内に協議のための訪中を要請していることからも、事を荒立てたくない事情が透けて見える。よって、「対中追加関税第4弾」「関税撤廃」の流れがこのままならば、今週は堅調に推移しそうだ。
というのも今週は、先週木曜日に相場が崩れかけた(日経平均22,727円)にもかかわらず、急速に立ち直った事実を重く受け止める週だと考えている。また、実需での株価支援材料も多い。日本株に関しては、12月中頃まで、4兆3000億円に達する配当再投資の資金の還流が期待される。1日の売買代金は、東証1部で2兆円程度であることを考えると、大きすぎる特需となる。また27日(水)には、MSCI新興国市場指数が、中国A株の比率引き揚げを開始するという。これは、中国株の下落を防止する効果があり、もちろん日本株にもプラスに働くだろう。また、ここにきて日本政府主導で、真水10兆円、事業規模20兆円の補正予算を組む動きが表面化してきた。この大きさはサプライズになる、という見立てが一般的で、株価への追い風になるとともに、来年のGDPの底上げにもつながるだろう。
さて、今週のストラテジーへと移りたい。筆者の狙い目はマザーズ指数! テクニカル(先物)の項で後述しているが、水曜日に先んじて売買代金が上がり始め、木曜日の相場クラッシュでも全戻し、とリスクオンの気配が色濃く出ている。構成銘柄は時価総額順に、そーせい、メルカリ、サンバイオ、ミクシィ、サイバーダイン。このうち上位3銘柄の値動きがよかったが、それほど個別で飛びぬけた動きがあったわけではない。決算も終わりマザーズ先物指数がらみで、上昇したがっているふうにもみえる。12月13日の「メジャーSQ」まで強い展開が期待できる。先週に+4.1%もの上昇になり初動となったが、騰落レシオ(25日)はまだ、103.07と、これからだ。