アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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≪連載(82回目)≫アッシュブレインの資産運用ストラテジー 今週の相場展望(5月14日~5月18日)&MY注目銘柄

■プロフィール 投資歴18年、出版社勤務の兼業投資家。投資に必要なのは、1に「メンタル」、2に「需給」、3に「ファンダ」だと考えており、勝ってもおごることなくたえず反省を繰り返し、安定して資産を増やす投資を心がけている。   ≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫  先週末の日経平均株価は、22,758円と先週比+285円で引けた。5月に入ってからもみ合った22,500円処を抜けて、上に向いた形。 これでようやく、2017年の大納会終値の22,765円まであと少しと迫ったわけだ(※年初来高値は1月23日につけた24,129円)。土曜朝に日経平均CFDを見ると、22,703円と多少弱くなり戻ってきたが、いったん上抜けした日経平均がすぐにヘタれるとは思えず、今週はまだ上を目指す可能性が高い。 この原動力となったのは、日本の企業決算などではなく、米国の企業決算だろう。S&Pは先週まで(9割がた発表済み)に、EPSが前年同期比+24.5%増益と事前予想の18%増益を遥かに上まって着地し、ハイテクに絞ってみれば前年同期比+35.1%の増益と、たいへん力強い。もちろん、NYダウやナスダック市場などの株価上昇率は、日本株とは比較にならないほどの上昇をみせた。いまのところ、この米国の企業業績とそれを支える「景気」に後退懸念は見当たらず、日本株をメインで投資する筆者には心強いばかりだ。 日本企業の企業決算に関しては、先週9日にトヨタの決算、ソフトバンクの決算があり、多少のブレが生じた。ソフトバンクは、2018年度1兆390億円もの純利益を叩き出したが、2019年度は日経報道によると3200億円となる見通しで、トヨタは18年度2兆4940億円の利益だったものが、2019年度は会社予想で2兆1200億円だと出た。 この大型2社のマイナス影響はすさまじく両社合算で1兆930億円の減額になり、日本経済新聞の報道によると2019年度上場企業の純利益は2018年度30兆円だったものが→ 28兆円弱の3%減益になる見通しを報じている。  ただ、為替はいまのところドル円で105円以下になっており、1円の円安で0.6%増益になる日本企業の事だから、3%程度の減益は、現時点のドル円(109円)で考えれば、トントンといったところとなる。その他には、現時点で2%程度の増益になる可能性を示唆している報道機関もある。 さて、今週のストラテジーに移りたい。さっそく前稿では、「日経平均の累積売買代金は、2万2000円~2万2500円が49兆円だったのに対して、2万2500円~2万3000円のゾーンは84兆円もあり、1日当たり3兆円に届くような売買代金の増加がなければ戻り売りの勢いも強いとみたい」と記したが、2月5日の2万3000円どころからの暴落の勢いが、一気呵成だったこともあり、これだけ考えれば、この価格帯は真空地帯だと考えることもできる。NYダウの反転はまだ1週間程度のことでしかなく、日経平均株価も連れ高となる上値目線のシナリオを支持したい。ただ、毎年のことだが本決算終わりは、要警戒時期なのも確かだ。いったん業績材料が出尽くしとなるので、早々と折り込んだ株価は、材料難で下落しやすいセンシティブな時期となる。今週は米国のSQ週だということもあり、また2回目の米中貿易摩擦交渉が始まる可能性が高いときているので、これを両睨みしつつ、慎重に相場に向かっていきたい。 上値の目途はもちろん2万3000円へのトライだが、ここまで上がるのなら、いったんリグいのできる買いポジションは手じまっておくのがよいだろう。というのも「テクニカルの項」で記すように米国のリスクプレミアム(RP)の問題がある。S&PはPER18倍までは現時点では伸ばせないとみている。相場の地合いをみるには5月SQ値である22,622円が、需給的な目途としてよいだろうか。これを下回れば弱いと考えて慎重に立ち回りたい。 ≪今週の注目イベント≫ 14日(月) 米国・イスラエル大使館をエルサレムに移転するための式典 15日(火) ドイツ1-3月 GDP(15:00)、5月ZEW景況感指数(18:00)& ヘッジファンド45日ルール該当日& 米国小売売上高(21:30)。※ドイツの景況感はここまでかなり悪い。 16日(水) 日本1-3月GDP(8:50) ※コンセンサスは‐0.27%とマイナス成長…。 18日(金) 米国SQ ※今週には米中貿易摩擦交渉の2回目が行われる予定 ≪今後の注目イベント≫ 6月中 米国 中国に対する制裁関税発動、中国からの報復関税の可能性 6月12日 米朝首脳会談(シンガポール) ≪テクニカルポジション≫ 5月の日本メジャーSQ値は、22,622円。  5日移動平均線は22,528円、25日線は22,093円、75日線は22,088円、200日線は21,597円。先週に引き続き5日線も含めて現在の日経平均株価はすべて上抜けしている。ドル建て日経平均は、5月12日(土)朝時点で207.5ドルと、先週比約+1.8ドルの上昇。 次の指標CFTC(米商品先物取引委員会)のドル円の建玉指標は、買い玉が多少減っているものの、売り玉に目立った変化なし。5月8日現在は-5462枚の売り越しではあるがニュートラルゾーンだといえる。過去最高値は、2007年6月に記録した▲18万8000枚の売り越し。 ここからは現時点での「日経EPS」と「PER」を。5月11日時点の日経平均EPSは1676円と先週比-41円。※この理由はストラテジーの項目に詳細を記載済み。 続いてPER。「日経平均」は13.58倍(※先週比+0.49)、「TOPIX」は15.49倍(※先週比+0.38)、「東証2部」は10.09倍(※先週比+0.09)、「ジャスダック」は15.54倍(※先週比-0.12)、「マザーズ」は4月末時点の加重平均で62倍(※3月63倍、2月79.6倍、1月80倍、12月74.3倍)。 かたや「NYダウ」は16.41倍(※先週比+0.39)、「S&P」は17.05倍(※先週比+0.23)、「ナスダック」は20.25倍(※先週比+0.29)。 東証1部とマザーズ市場の売買代金に移る。 5月2週目の東証1部の週間売買代金は、13兆4637億円と、1日当たりの売買代金は2兆6927億円と、先週比+547億円と順調に増えている(※5月1週目2兆6380億円→2兆6193億円→ 2兆3601億円→ 2兆4139億円→ 2兆6861億円→ 2兆6759億円→ 2兆3865億円→ 2兆8151億円→ 2兆7159億円→ 2兆4013億円→ 2兆8471億円→ 3兆5451億円→ 3兆2553億円→ 2兆7896億円→ 2兆8255億円→ 2兆9815億円→ 3兆1468億円)。特に9日とSQ値の11日は2兆9000億円台となり、活況を呈していた。相場活況相場の定義は1日あたり2兆5000億円、大活況で3兆円と記してきたが、現在は活況状態に入ってきたと言える。  次は、個人投資家の主戦場・マザーズ市場の売買代金。5月2週目の売買代金は3389億円と、1日当たりの売買代金は678億円となり、先週比+71億円の増加となった(※5月1週目607億円→ 720億円→ 852億円→ 811億円→ 1029億円→ 968億円→ 962億円→ 1028億円→ 1055億円→ 997億円→ 760億円→ 831億円→ 962億円→ 967億円→ 1370億円→ 1435億円→ 1433億円→ 1081億円)。前回の本稿でもお伝えしたが、すでに売買代金が細りすぎてもはや陰の極といってよいだろう。株価指数をみると5/11の週末金曜日に1145ポイントと、先週末比で-2ポイントと小幅下落している。これから決算が始まるため、マザーズ市場はしばらく休業状態だと考えるのが普通だが、売買代金が膨らむ兆候がみえたら、決算が終わった銘柄から買いに入れば報われそうだ。その時を待って「そーせい(4565)」「HEROZ(4382)」「アスカネット(2438)」「RPAホールディングス(6572)」はPFに入れてウォッチしておきたい。特にIPO銘柄が5/31の「ラクスル(4384)」までないため、直近IPO銘柄の人気株は動く可能性がある。ただ、くれぐれも決算発表をまたがないように気を付けたい。先週金曜日は「HEROZ(4382)」に売買代金を伴った上昇がみられた。半値以上の押しとなったため、そろそろ相場スタートとなるか? 次は、海外投資家の投資部門別週間売買動向(日経平均現物&先物・TOPIX・JPX含む)。 まず海外投資家の5月1週目は+1003億円(先物+978、現物+25)の買い越し、4月4週目は3181億円(先物+4521、現物-1340)の買い越しとなった(※4月3週目+4172億円→ +5703億円→ +4633億円→ ▲9309億円→ ▲3454億円→ ▲8292億円→ ▲9407億円→ ▲5130億円→ ▲5497億円→ ▲1兆7968億円→ ▲1兆1675億円→ ▲8276億円→ ▲1669億円→ ▲10,045億円→ +6841億円→ ▲2410億円→ +2400億円→ ▲1444億円→ ▲2433億円→ ▲2610億円→ ▲2433億円→ ▲4276億円→ ▲3428億円→ ▲922億円→ +1506億円→ +8539億円 →+8492億円→ +7635億円→ +1兆1171億円→ 347億円→ +8588億円→ +8172億円→ ▲3975億円(9月1週目)。 これで5週連続の買い越しとなったわけだが、少しその勢いに陰りがみられる。ただ、先週5月2週目は、長らく抵抗帯だった日経平均2万2500円を上抜けた週であり、現物の買い越しがあったことを期待したい。 1月2週目以降、3月最終週までに、海外勢は12週連続の売り越しで、▲9兆3227億円となっていた。現時点で▲7兆4535億円の売り越しであり、需給から考えても、まだまだ買戻しラッシュは続くだろう。現在はチャイナショックの2015年当時に記録した、8週連続売り越しをしのぐ大記録となっており、いざ反転となれば大きな果実が収穫できるのだ。 続いてマザーズ市場。海外勢の動向はというと、5月1週目は-13億円(先物+1、現物-14)の売り越しとなり、4月4週目は(先物+1、現物-71)の-70億円の売り越しとまるでいいところがない(※4月3週目▲32億円→ ▲51億円→ ▲86億円→ ▲40億円→ ▲84億円→ ▲5億円→ +3億円→ ▲23億円→ ▲26億円→ ▲39億円→ ▲41億円→ ▲65億円→ +74億円→ ▲90億円→ ▲15億円→ ▲43億円→ +56億円→ +29億円→ +43億円→ ▲50億円→ ▲39億円→ ▲50億円→ +22億円→ ▲32億円→ +3億円→ +14億円→ ▲47億円→ ▲47億円→ +6億円→ ▲20億円→ +100億円→ ▲30億円→ ▲30億円→ ▲126億円(9月1週目)。現在の海外勢の動向からは手出し無用な状況がうかがえるが、売買代金が極端に細っており、売り圧力の低下も顕著だ。ただ、市場別の増益幅では、コンセンサスを見る限りこの市場が他市場(1部・2部・ジャスダック)を凌駕している。だからこその新興市場なのだが潮目が変わるのを待ちたい。 そして空売り比率は、5月11日時点で38.4%となっている。すっかり落ち着いている。 次はFEDウォッチ。5月のFOMCを越えて、変わらず6月13日FOMCでの利上げ確率は100%となっている。9月のFOMCで再利上げがある確率は78.2%と先週から6%増。12月は47.4%と2.7%増である。まずは6月のFOMCで利上げがないと逆にビッグサプライズで市場崩壊となるレベルだ。年内の利上げの回数予想はかわらず3回or4回。4回に傾くとなるとイヤーな悪寒が走る…。  さて、次回6月にFOMCで予想される、短期政策金利(FF)誘導目標は2%。5月2日現在の「米国2年債金利」は、2.53%と先週比+0.03%とまたしても上昇した。かたや米国 10年債利回りは、一時3%ラインを越えてからの2.971%。利回りの差は0.441%となり、スプレッドは先週並みか。ここから利回り差が接近や、逆転が起こるようなら、株式投資どころではなくなる。ここからは2014年1月高値3.052%を上回ると、2010年4月の4.009%が天井圏。3%の債権の利回りはこれまでの経緯を追うと、特に高い水準ではなく、現状では恐れることはないが、今週の以下↓の項で記した新指標「リスクプレミアム」には気を払っていきたい。昨年3月のピーク2.6277%を明確にクリアしたことで、新債権王のガンドラック氏が唱える「米国債権は終わった」の流れが加速している。 そして株式と債権の魅力を比較する指標である「リスクプレミアム」(RP)。S&Pの益回りは5.865%(※PER17.05倍)。10年国債の利回りは2.971%。これを差し引くと2.894%となる。3%割れは危険水域だといわれるが、まずはS&Pが最高値をつけた1月26日のRPは2.62%だったので、これに接近した際にアラームを鳴らしたい。PER17.8倍で金利3%だと、アラームが鳴り響く。 次の指標は「プットコールレシオ」。5月11日時点で当指標は「0.11」とこれ以上ないくらい落ち着いている。オプション市場で売る権利(相場の下落に賭ける)÷(相場の上昇に賭ける)といった単純な指標だが、短期的な相場動向をみるうえでは役に立つ。※暴落時は1.15くらいが底打ちのサイン、通常なら1が基準で市場は落ち着きを取り戻す。 5月11日時点での日経平均騰落レシオ(25日)は125.24%(※値上がり銘柄数÷値下がり銘柄数で120%以上だと警戒圏、70%で底値圏だといわれる)。 次はNT倍率(日経平均÷TOPIX)。5月11日は12.68倍。現状は上げ相場を警戒する局面ではないのでご参考まで、だが、直近は日経平均株価指数だけ上がっている様子がわかりやすい。日経平均株価の初動となった9月8日(金)は12.1倍で、ここ3年では、2016年8月15日の12.81倍が天井となっているが、このラインで日経平均が下がり始めたというわけではない。この指標はあくまでも「裁定解消売り」とセットでとらえたい。  そして最重要指標として記載をしている「裁定取引高の推移」。裁定買い残の水準は、5月2日に2兆1724億円と、前回報告比で+4019億円の大幅増加となった。ここから見えている5月9日までも右肩上がりに大きく増えており、リスクオンが鮮明となっている。かたや裁定売り残に関しては5月2日現在、6394億円と、527億円減っている。※直近のピークは1月5日の3兆4266億円。裁定買い残は3.5兆円で警戒警報が鳴り、4兆円をつければピーク確定だといわれ、かつては1兆8000億レベルで底入れするといわれた。2017年9月4日には1兆3742億円まで落ち込んだ。 次は個人投資家の懐具合である信用取引評価損益率。5月2日は、-9.01%と先週末比で―0.31%改善している(※5月2日▲9.32%→ ▲9.16%→ ▲9.78→ ▲8.84%→ ▲11.71%→ ▲8.61%→ ▲9.37%→ ▲8.91%→ ▲7.97%→ ▲9.95%→ ▲10.14%→ ▲4.82%→ ▲5.15%→ ▲3.68%)。この指標が-3%の最高水準であった4年前の2014年1月17日を振り返ると、年初から半年ほどで-15%近い調整が入った。一般的には-3%以上であれば天井圏(※個人投資家は利確が早く、含み損の処理が遅れるのが一般的なため)で、-20%ラインが大底圏であるといわれる。 最後に個人の信用買い残高で終わりたい。4月27日現在、3兆3935億円と前回報告比で-640億円の減少となった。現在のところ3月23日の3兆6759億円がピークだ。単純にアベノミクスが始まっての最高水準でありたいへん気になっている。個人投資家は、いつでも海外勢の養分になる過去の歴史から、個人が強気だと相場はいつまでも明るくならない。逆に、信用売り残は4月27日、7638億円と前回比-227億円の減少だった。 【注目銘柄】 ここまで決算が順調にでてきているなか、「オリジン電気(6513)」などは目を引くが、会社の強気予想の根拠がわからず。以前から注目する「メイコー(6787)」も、19年度予想をEPS229円と出してきており(現在株価1942円)、これは月曜日に安寄りするようなら注目したい。本格的な注目銘柄は来週以降に出していきたい。 また、筆者のPFのなかで2番目のウェイトを占める「シンデンハイテックス(3131)」の決算がでて、来期見通しのヒドさが明るみになり、大きなダメージを負ってしまっている。前期に大型特需があったことは理解していたが、ここまで来期予想を引き下げ、またそれ以上に配当予想を引き下げる企業があるとは唖然とした。このように株主を軽視する会社に近づかないほうが賢明だろう。読者のみなさまがうまく逃げていることを祈念するとともに、引き続き大きなリターンをもたらす注目銘柄の発掘に勤しみたい。…

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