アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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違法取立など本業に問題が存在することに加え、そもそも訴訟提起自体が違法と認定されてしまった武富士と武井保雄

●単行本『武富士の闇を暴く』を巡る、武富士VS反武富士弁護団の訴訟で弁護団側に軍配!

 3月30日、東京地裁において『武富士の闇を暴く』を巡る訴訟の判決があり、裁判長は武富士武井保雄前会長に対し、弁護団側に480万円の支払を命じただけでなく、武富士の提訴自体を、「批判的言論を抑圧する目的の違法な行為」と断罪した。
問題の本は03年4月、出版された。本紙・山岡も一部執筆しているが、その箇所は訴えられていない。
武富士側が訴えたのは同書に執筆していた3名の弁護士等で、しかも、武富士に批判的な弁護士等が結成した「武富士被害者対策全国会議」の中心的メンバーだったことから、明らかに、反武富士弁護士を狙い打ちしたものとみられる。しかも、これら弁護士が執筆、提起した内容は、すでに当時、盗聴疑惑は浮上していたが、第3者請求など武富士の“本業”における問題だったことから、なおさら武富士としては無視できなかったと思われる。
これに対し、執筆した弁護士等が反撃。逆に「不当提訴」として武富士に加え武井保雄を反訴していた。
この日の判決によれば、裁判長は反武富士弁護士等が執筆した記述は、「事実に反すると明らかに認められる部分は存在しない」と認定。武富士と武井はそれにも拘わらず、訴訟提起したこと自体が違法と断罪し、弁護士側に損害賠償請求の支払を命じる(武富士の請求額は計5500万円)どころか、逆に、武富士と武井に対し、弁護士側に480万円を慰謝料として支払うように命じた。
最近、記事執筆に関する訴訟は、裁判官が報道側に厳しい目を向けており、よほど真実たる報道と主張できたつもりでも、原告側の要求額のいくらかの支払を認めるケースが多い。ところが、この判決では支払いゼロどころか、逆に反訴した弁護士側への支払を命じた。まさに稀有な大勝利といっていい。いい方を代えれば、圧倒的な財力を背景に、批判的報道は例え事実でも訴訟を乱発するなどして封じ込めて来た武富士の手法が、それだけデタラメだったということだ。
ところが、武富士側はこの判決を真摯に受け止めるどころか控訴する模様。
また、同社HPにもこの一審敗訴の事実を一切載せていない。
最近の、盗聴事件後も何等「武井支配」が改まっていないとする報道といい、武富士は現在も上場企業に値しない「悪徳企業」といわざるを得ない。
ところが、大手マスコミは自分たちにも本来は突きつけられた問題なのに大きく報道せず、冒頭に掲げた『東京新聞』の扱いが、本紙が気づいたなかではもっとも大きかった。
そこには、すでに武富士の広告掲載を再開していること、また、この4月1日からのテレビCM再開など、報道姿勢以前に、金儲けの思惑があるからだろう。
その事実を思えば、朝日新聞の5000万円問題を、実は大手マスコミはどこも本質的には批判できる立場になどないのだ。それどころか、他にも埋もれている朝日同様の件があるかも知れないぐらいに見ておいた方がいいだろう。

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