さて、この連載5回目は「建物・駐車場管理、警備」、「運輸」を取り上げる。
これまで同様、天下りの実態を写真週刊誌『フラッシュ』(4月29日号。冒頭写真)でレポートしたジャーナリスト・寺澤有氏(下写真)に話を聞いた。
ーー警備業は警視庁の有力天下り先のようですね。
「最も多いかも知れないですね。警備業は警察の許認可事業ですから。そして警察OBが設立するか、警察OBを『警備員指導教育責任者』として雇わない限り、事実上、営業が許されないからです。
警備会社は警察OBが占める割合が高く、いわば“警察の子会社”のようなものになっているんです」
ーー不祥事を起こした途中退職の警官も多いとか。
「なんせ“警察の子会社”みたいなものなので、秘密保持にはもって来い。そこで、不祥事でこっそりクビにした警察官を天下りさせるのに適しているからです。
ただこれは温情でも何でもなくて、そうしないと、逆にその途中退職警官に、彼らが現役中に見聞した警察内部の別の不正や不祥事を暴露されかねないということで“共犯関係”にあるからです」