アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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≪連載(77回目)≫アッシュブレインの資産運用ストラテジー 今週の相場展望(3月26日~3月30日)&MY注目銘柄

■プロフィール 投資歴18年、出版社勤務の兼業投資家。投資に必要なのは、1に「メンタル」、2に「需給」、3に「ファンダ」だと考えており、勝ってもおごることなくたえず反省を繰り返し、安定して資産を増やす投資を心がけている。

≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
先週末の日経平均株価は、20,618円で引け、先週末比-1059円と今年2番目となる暴落局面となった。筆者はといえば、木曜の朝起床し、終わったFOMCを確認し、NYダウが-45ドルと引けにかけてグンと下がる形で引けていたことに薄気味悪さを感じた。また、前稿の通り、このFOMCを受けて「株価は大きな方向感をみせる」、と考えていたから中途半端な値動きで終わったNYダウに面食らった。加えて米国10年債金利が大幅に低下(2.9%→2.8%)していたことで、「安全資産の債権が買われて株売りとなってるではないか」、と一抹の不安を覚えた。もう1ついうならば、20日に発表されていたドイツの経済指標(ZEW)が2016年来の低水準だったという報道も不安を増幅させた。これは6ヵ月先の見通しを示す指標といわれる。
そして始まった木曜の相場。筆者は朝一から待機資金を使って「日経ダブルインバース」(1357)を資産の3分の1になるよう購入し、持ち株のなかで3月権利落ちの高配当株とヒューマン・メタボ(6090)、そして逃げ遅れていた小型株を残し、リカクができそうな大型株の処分を始めた。するとなんと日経平均は上昇を開始したではないか!? 疑心暗鬼にかられるも、ただ、やけに持ち株を中心とした個別株は弱いように思え、上がる日経平均(+211円)を追いかける形で日経ダブルインバースをナンピンし続け、資産の半分をカバーするまで膨れた。ここで、もう少し冷静に場を見れていればよかったと思う。仕事は祝日明けで多忙を極め、ツイッターなどを見る余裕もなく、時はPM2:45。ここで筆者は日経ダブルインバースを損切してしまった。「自分の見立ては間違っている可能性がある。仮にここから下がるとしても急落はない。資産のヘッジは先物でやればいい」と単純に考えてしまったのだ。結局、当日夜は飲み会を設定していたため、先物の場を見れたのはPM21:30。すでにかなりビックリするほど下げており「ここから先物を売ってもどうしようもない」と思わせる相場つきだった。木曜日は日経ダブルインバースの損切りもかなりの痛手となったが、ここでこの銘柄を外してしまわなければ資産は減らなかったため悔やまれる。
結局、いまになって先週木曜日を振り返ると、わかりやすいほど日経平均株価指数だけを吊り上げようとする動きがあったということだろう。高いところからドーンと下に落としたほうが、ヘッジファンド的にはボラがでておいしいといったところか。
そしてこうなったのもすべてはトランプ大統領のせい。22日に600億ドル(6兆3千億円)もの中国製品に高関税を課すと言ったことが原因。彼の言い分としては「知的財産権」の侵害が続いているとし、ハイテク分野には25%の高関税をかけるという。しかもこれは「第一弾」だと、のたまった。米国通商代表部(USTR)は15日以内に制裁関税を課す中国製品のリストアップを終え(早ければ週内にも)、米企業からの意見を募る予定だという。ターゲットは中国が製造業強化のための指針として発表した「メイド・イン・チャイナ2025」。次世代技術、工作機械、ロボット、半導体などのハイテクがそれだろう。実際の制裁発動までは2ヶ月はかかるとみられている。これにはもちろん中国もだまってはいない。当然のように報復関税を実施するという。中国側も来週一杯かけて国内企業や官庁、専門家へのヒアリング、世論調査などをおこなったのち報復措置を決めるという報道があったので、発表は再来週まで待たねばならなそう。
トランプ大統領は、アメリカファーストを掲げ大統領選に当選しており、保護貿易への傾斜傾向はもともとあったのだが、この男はいちいちやり方がドラスティックすぎやしないか!? というのも、トランプ大統領の考え方は理解できるところも多分にあり、企業が中国に進出する際は、現地企業と合弁会社を作らねばならず、技術がダダ漏れになるという懸念は、どの国も有していたからだ。よって本来ならばじっくり国際協調をとって中国包囲網を作っていくべき問題であるはずだ。トランプ大統領としては、基本的に11月の米国中間選挙で上院、下院ともに負けようものなら「弾劾される」可能性を視野に入れた、お得意のプロレス戦法だということなのだろう。ただ、中国のような独裁国家相手に、真っ向から喧嘩を売っては、反発されるに決まっているではないか!? あまりに思慮が足りない蛮行に思えてならない。
そして、これが世界経済を蝕む可能性が大いにある。中国・米国ともに高関税合戦が始まれば、回りまわって素材、部材価格の高騰を招き、設備投資意欲の減退を誘う。輸出で食っている日本企業などは特に大きなダメージを負うだろう。そして最悪なのが、米中の貿易戦争が始まれば、中国側は大きなカードを切る可能性がある。米国外では世界最大にして、全体の19%「約1兆1700億ドル(123兆円)」を保有する「米国債」を売ってくる可能性があるのだ。こうなると米国債の大暴落⇒ 金利高となり、市民のローン金利が上がりだす。すると、米国ですでに軋みがでている低所得者用の自動車ローンや、教育関係の学資ローンがはじけ飛ぶことが容易に想像できる。筆者にもわかるということはおひざ元の米国企業全体が猛反発しそうであり、ぜひひっくり返して欲しいものだ。
もう1つ不安を増大させることがある。先週の金曜日に米国は2018年度予算案がようやく可決するも、「国境の壁」の予算が少ないことにトランプ大統領はご不満の様子で、拒否権の発動をツイッター上で示唆している。トランプ大統領は250億ドル(約2兆6250億円)を求めていたが、予算案では16億ドルにとどまっているから溝が深い。現在、総額21兆ドルに膨らんだ米国債務(借金)が、引き続き財政赤字拡大となれば、ほっておいても米国債売りにつながってしまう危険がある。
さて、今週のストラテジーに移りたい。日経平均先物株価指数は、金曜の終値から米国市場の波乱を受けて、すでに-300円となっており、週明けは20310円を目途に寄り付きそうだ。すでに先週めいいっぱい下げてしまった感もあり、今週は新たな悪材料がでなければ、フラフラ~と株価が戻り基調になるかもしれない。ただそんな時、くれぐれも買いにいって挙句持ち越すなどといった行為は避けるべきだろう。なんといっても、貿易戦争の行方が今週では、まだはっきりしないのだ。

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