アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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≪連載(87回目)≫アッシュブレインの資産運用ストラテジー 今週の相場展望(6月18日~6月25日)&MY注目銘柄

■プロフィール 投資歴18年、出版社勤務の兼業投資家。投資に必要なのは、1に「メンタル」、2に「需給」、3に「ファンダ」だと考えており、勝ってもおごることなくたえず反省を繰り返し、安定して資産を増やす投資を心がけている。

≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
 先週末の日経平均株価は22,852円で引け、1週間で+157円の上昇と、そこそこ堅調に推移した。とくにECB理事会明けの15日(金)夜には、トランプ・米国が中国に対して、ここまでの協議を無にするような形での「制裁関税品目リスト」を決定→公表する予定が控えていた。そんな不安心理で埋め尽くされた週末の日本市場だったにもかかわらず、3兆792億円もの売買代金を伴いながら+113円と、こじっかりでまとめたのだ。
ただ案の定、これが公表された日本時間の夜のNYダウは、一時300ドルに迫るほど大きく崩れたものの、引けにかけて(※MSQは引け値清算)買い戻されて-85ドル安で引けた。これを受けて日経平均先物(CFD)も22,822円で帰ってきているので、市場は「貿易戦争」を折り込んでしまったような動きにみえる。
 実は、これにたまらない! と音(ね)をあげているのは、上海株価指数のほうだ。米中貿易摩擦の激化を受けて、2日連続で今年の最安値を更新。実に1年9ヶ月ぶりの安値水準で、筆者には底が抜けてしまったチャートにみえる。ここから3000ポイントを割るとチャイナショック再来、などとメディアが騒ぎ出しそうな気配だ。
しかし世界の金融商品全体をみると、VIX(恐怖)指数は12ポイント前後とまるで今後の波乱を予想しておらず、安全資産である金は売られ、そしてリスクオフの代名詞・円も、110.67円まで下がっており日本市場には強力な援軍となっている状況。現時点では、少なくともリスクオフの動きはみえない。また、前稿でもお伝えしたように「米国10年国債」には、1993年以来の大量の売りポジションが溜まっているので、ここから買戻しの動きがでるのは必然。ようするに、しばらく米国の金利は低調推移が予想される。こうなってくると実需資金は株式に流れてくる、と考えたくもなるのだが。
さて、今週のストラテジーに移りたい。今週の注目ポイントは3つ。
1つ目に今週は、トランプ米国に対して世界各国が、報復関税の発表をしてくる週だということ。まともな感性で考えれば大きな不安に駆られ、空売りポジションを積み上げたくなるところだが、市場は、米国の対中制裁関税に対して、発動期限の7月6日までになんらかの融和策がとられると考えている節があるようだ。となれば、現時点では先週末の株式市場のこじっかりの動きを「正」と捉え、この点は中立要因としたい。
 2つ目は、ここにきてたいへん気になってきたNT倍率(日経平均とTOPIX)。週末15日にはとうとう12.77倍となり、2016年8月15日につけた最高値12.81倍に迫ってきており、ここからトピックスがいいかげんしっかりしてこないと、日経平均が下がりやすい地合いとなるだろう。25日騰落レシオをみても、日経平均株価が6月に入って+537円も上がっているのに、91.72%だというのは、気持ちが悪いものだ。ただ、これは週明けからの推移をみなければ見当がつかない。
3つ目。日経平均株価23,000円より上は、1~3月に海外勢がさんざん売り崩してきたボリュームゾーンだということ。これが昨年からの大幅上昇を受けてのリカクモードであったなら杞憂に終わるのだが、現時点では確信が持てずにいる。個人投資家の信用買い残の積み上がり状況をみても、日経平均の高値であった1月から半年が経過しようとしており、ここから上はヤレヤレ売りが大量にでてきそうな気配がある、ということも記しておきたい。ようするに、海外勢が本気で日本株を買ってくる流れにならなければ、上に向かいづらい雰囲気だということだ。この点は売買代金に現れるのでしっかりと注視したい。
さて、今週の下値の目途に関しては、しばらく25日線を上回って推移できていることから22,654円はかなり重要な位置となる。週明けは22,822近辺で寄り付く可能性が高く、-170円程度の下落を確認したならば、売りポジションを用意し、後はTOPIXの75日線が1752ポイント、200日線が1750ポイントだということを考え、これを下回るようだったら資産の半分は、空売りポジションにしなければならないだろう。ただ、今週は重要経済イベントがほとんどなく、上にも下にも向かいづらい週となる可能性が濃厚だ。
 そんなわかりづらい地合いの中、今週の注目もやはりマザーズ市場となるだろう。現在のマザーズ指数はさんざん叩き売られた中での1152ポントであり、いまは底練り状態を形成している。ここから売買代金の盛り上がりの初動を捉える事ができれば、資産を一気に増やすことができるだろう。特に19日(火)に東証マザーズ市場に上場する「メルカリ」(4385)への投資家の関心は極めて高いようで、これがきっかけとなりこれからでてくるIPO銘柄を初めとした新興市場全般が見直される可能性に期待している。(横写真はマザーズ市場の週足チャート)

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