アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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裁判所も認定ーー“配水池”を人質に取られ、「利益供与」を続ける伊豆・下田市

 川端康成の小説『伊豆の踊り子』などでその名を知られ、一大観光地となっている静岡県下田市(人口・約2万4000人。楠山俊介市長。冒頭写真は伊豆の踊り子銅像と下田市役所)。
11年4月、その下田市の澤登英信市議(共産党)は、市民の家庭ゴミの収集を行っている市の臨時職員6名が解雇されることを知る。調べてみると、市は5地区5台のパッカー車で直営収集していたが、12年度から内3地区については入札もせず「栄協」(下田市)なる会社に議会にも何ら通知などもなく委託することを決めていたことを知る。しかも、そのようなことになったのは、市の水源は下田配水池(下右写真)ともう1カ所を経て供給されるところ、下田配水池の土地は廣瀬拓意氏(82)なる者が02年ごろから所有(下左写真=土地謄本)し、そこを市は1年毎に賃借契約していたところ、解除を求められ、その交渉の中で廣瀬氏側から市のゴミ収集業務などをやらせて欲しいという「要望書」を出され、それに応えてのことだったことを知る。
 この廣瀬氏、ゴミ収集を予定通り委託することになった前出・栄協の他にも、葬儀、介護、タクシー、パソコンスクールなどの会社を率い、同市では最大手といってもいい「ひろせグループ」のオーナー。
ひろせグループについては、以前にも市との癒着疑惑が上がったこともあり、澤登市議は今回の問題を市議会で取り上げ、自分の広報誌などで報告もした。
これに対し、前出・栄協と廣瀬氏個人は、澤登市議の「市職員6人の解雇は、やってはいけない違法行為。『ひろせグループ』との癒着、不正利益供与そのもの」といった発言などが名誉毀損に当たるとして各1000万円、計2000万円の損害賠償請求訴訟を翌12年2月、静岡地裁下田支部に提起。
だが今年1月、廣瀬氏側の請求はいずれも棄却に。
これを不服として廣瀬氏側は控訴したものの今年5月、東京高裁もいずれも棄却。廣瀬氏側は上告しなかったため、5月31日、この判決が確定した。
ところが、極めて重要な判決と思うのだが、どこのマスコミもこの事実を一切報じていない。そこで、本紙ではその判決内容などを以下、報告する。

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