アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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経産省前脱原発テント、控訴棄却の判決――「テントではなく原発を撤去せよ」と怒りの声

 10月26日(月)、国が経産省前脱原発テントの代表に対し、テントの撤去と損害賠償請求を求めていた裁判で、控訴審判決が下された。  脱原発テントに関しては本紙も折りに触れ報じてきたが、本年2月26日、東京地裁が国側の主張を全面的に認め、テントの撤去及び、土地使用料として1日約2万1000円の支払いを命じる判決を出していた。しかしテント側がその仮執行を停止させ、控訴したため引き続きテントは維持されてきた。 今回の判決で、東京高裁民事24部(高野伸裁判長)が下した判決は「控訴棄却」。国側の主張を全面的に認めたものだ。 法廷を傍聴した人によると、「裁判長は『控訴を棄却する』と結論だけ述べてさっさと退廷してしまった。傍聴者は「理由を説明しろ」と抗議し、席に座り込んだ。すると全員が廷吏に“ごぼう抜き”で暴力的に排除されてしまった」とのこと。裁判所前でも約100人が「不当判決を許さないぞ」「撤去すべきは原発だ」と繰り返し叫んだ。  午後4時から衆院第二議員会館で開かれた集会で、作家・鎌田慧氏や川内原発、伊方原発の再稼動に反対する市民団体などが判決と、安倍政権の原発政策を相次いで批判した。 河合弘之弁護士は「原発が再稼動されても諦めない。自然エネルギーの活用を推進しよう。原発推進派の議員を落選させよう」と発言。大口昭彦弁護士は「公害裁判や医療過誤など、社会的に注目される事件の場合、結論だけ述べて終了、はありえない」と高野裁判長を厳しく批判。  「原発いらない福島の女たちの会」の渡辺美代子さん(左写真)は「私の住む田村市は避難指示が解除され、避難者が一部、帰ってきている。でも除染しても元通りにはならない。帰ってから日が経つにつれ、みんなの顔が暗くなった。判決には納得いかない。子孫のためにがんばりたい」と声を詰まらせながら語った。 弁護団は今後、最高裁への上告及び、テント撤去の仮執行の停止を求めるとしている。テント運営者も「今後、いつ経産省の官僚が執行官を引き連れて撤去しに来るかわからないが、非暴力・不服従の精神でテントを守ろう」として集会を締めくくった。…

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