アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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≪連載(102回目)≫アッシュブレインの資産運用ストラテジー 今週の相場展望(10月9日~10月12日)&MY注目銘柄

■プロフィール 投資歴18年、出版社勤務の兼業投資家。投資に必要なのは、1に「メンタル」、2に「需給」、3に「ファンダ」だと考えており、勝ってもおごることなくたえず反省を繰り返し、安定して資産を増やす投資を心がけている。

≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
先週金曜日の日経平均株価の終値は23,782円と、-338円もの下落となった。土曜の朝に日経平均先物を確認すると、下値23,550円があっての23,650円で戻ってきている。
※8日(月)PM20:00現在、日経平均先物CFDはイタリア財政不安が再熱したことで23,540円まで小安くなっている。
先週筆者は、週明け月曜日の寄り付きで「コマツ」「SUMCO」などの景気敏感株をがっつり購入すると、日経平均株価は上髭連発を繰り返す展開ながらも持ちこたえ、前述2銘柄は好調推移のまま水曜日を迎えた。この段階では「先週まで3週連続で+1873円もの大暴騰をしていたからこその健全なもみ合いで、いずれ上離れるはず」と考えていた。ただ、その流れは水曜日夜に「米国9月ISM非製造業景況指数」と「ADP雇用統計」が発表されるやいなや暗雲が漂う……。米国の長期金利が上がり始め、木曜日には警戒水域としていた3.15%を上抜けた(3.18%まで上昇)ことから、金曜日の寄りで「村田製作所」「コマツ」「SUMCO」の3銘柄の成り行き処分を決断し、ほんの少しの小遣いを稼ぎ、返す刀でまだ上昇していなかった「国際のETFVIX(1552)」と「日経ダブルインバース(1357)」を総資産の半分まで買い建てし、資産のヘッジポジションをとった。
ここまではいま考えても賢明な判断だっただろう。ただ……この結果、資産の空売り配分が増えすぎたことで「儲けそこなってしまう……」、の買いバイアスがかかり、あろうことか金曜日の夜、下げ続けるNYダウを横目に「日経平均先物12月限」を、買いで4回もエントリーしてしまうはめに(※すべて損きり)陥った。相場見通しに強気バイアスがかかりすぎていたための愚考であり、週末を迎えて反省しきりである。
さて、今週の相場はどうなるか!? さっそくストラテジーへと移りたい。
いま、一番気になっているのは、米国国債利回りのさらなる急上昇ではない! というのも直近10月2日発表の「米国債券10年物」の投機筋のポジションは▲740,192枚の売り越しで、過去最高圏内であることから、ここから国債利回りの急上昇は極端に起こりづらいといえるのだ。そして国債の利回り上昇自体も、先週の長期金利上昇は、長期金利>短期金利の図式であり、後から振り返れば、自然な金利上昇だったと評価される可能性が高い。確かに、このタイミングで上昇するとは!? という意外感があったこと、そして国債利回りの上昇自体が、相対的な株式の魅力を削ぐことを考慮すればマイナスイメージは避けられないが、いまのところ「3.5%程度までは許容される」という論調が目立っている。
そんななか、筆者がいま一番気になっているのは、相場のカナリアといわれる「ハイイールド(ジャンク債)」が先週の水曜日から出来高を伴って急落したことである。現段階ではジャンク債だけに「金利上昇にたまらず下げただけ?」か、判断がつきづらいが、相場の暴落の際はたいていハイイールド債が真っ先に下がるので、今週はこれを見極めてからでないと動けない!
もう1つは、今日から再開した「上海株」である。4日の香港市場では、売買代金に占める全体の空売り比率が18%と、過去20年で2番目の高水準となったと報道された。他にもUBSが香港を主要20都市で「不動産バブルのリスクが一番高い」と警告(過去5年で35%値上がり)するなど、中国は今後の景気悪化が不安視されるなか、月曜日の上海株は、-3.72%となる2716ポイントまで下げて引けた。こうなると、節目となる2700ポイントに近すぎることから、少なくても火曜日のAM10:30の上海株の動向をみないことには、新規の買いポジションを積み上げることは避けたほうがよい、といわざるをえない。
また米国では、金曜日にSQを迎える。現在の米国市場の下げが、ヘッジファンド勢の決算前の最後の悪あがきの可能性があるため、最低でも水曜日いっぱいまでは様子見が賢明だろう。そして11日(木)PM21:30に発表される「米国消費者物価指数(CPI)」がでたあとの、米国10年債利回りと米国株の動向には気を配りたい。現在、コア指数のコンセンサスは、前年比+2.3%だというが、この指標が上振れればインフレ加速と捉えられ、金利上昇の流れが加速しやすいだろう。
逆に日本株の見通しは、前述した懸念が顕在化しなければ、前稿の見立てよりも強気で考えている。先週は月曜日に「日銀短観」が発表されて、大企業は為替見通しを、通期107.4円(上期:107.52円、下期:107.29円)でみていることがわかった。ともなれば、為替レートをドル円で105円を想定している10月10日決算発表の先陣を切る「安川電機」(6506)の決算が楽しみになる。加えて、10月24日(水)に召集される臨時国会で「補正予算」が決定されることを折り込みにいく流れがでるだろうこと、日本企業の好決算を株価が折り込みにいくことも鑑み、11月6日(火)の米国中間選挙実施前までは強気とするのが当然だろう。幸いなことにトランプ氏は、選挙対策に忙殺される時期で、米国の株価は気にするだろうし、外交は後回しになるはずだ。

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