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<記事解説>健康診断に関する報告について唯一、報道した「毎日新聞」に、医師会等利益団体から総ブーイング

●記事は誤解? 「根拠がない=意味が無いではないから、これまで通り続けるべき」?

8月14日に「毎日新聞」が報じた記事に対し、厚生労働省の関連部署や、医師会等から批難の声が起きている。
その記事のタイトルは、「健康診断:項目の大半が有効性の証拠薄い 厚労省研究班」。


健康診断で実施されている代表的な24の検査項目のうち実に16項目は、病気の予防や死亡者の減少に有効との根拠が薄いと、厚生労働省の研究班が報告書を出したことを報じたものだ。
結論をいえば、有効との根拠があるとされるのは血圧測定や身長・体重測定、問診の一部のわずか6項目にすぎず、一方、根拠が薄いとされた大半は心電図測定、胸部X線撮影、肝機能を現すGOTなど、カネのかかる検査ばかり(残りの2項目は結論保留)。有り体にいえば、これまでその効果を検証する事無く、医師会などの言い分を鵜呑みにし、彼らに利益を得させるために無駄な検査を国民に義務づけ、やらせていたわけだ。
ところが、うなぎ上りに医療費が拡大する中(03年度で約31兆5000億円)、一転、厚生労働省は「効果」ある健康診断をやる方向に転換しようとしている。そのため、補助金をつけ、専門家にこの報告をまとめさせたのだ。
それにしても、この健康診断の年間コストは約9000億円。これを30年以上もやらせて来たわけだ。コストもそうだが、仕事の合間をぬって無駄な健康診断につきあわされた国民はたまったものではない。さらに、もっと有効な健康診断をやっていれば体を壊さず済んだり、助かっていた命も多かったはずだ。これは、大ニュースに決まっている。
だが、医師会等に配慮した結果なのは、全国紙でこの報告書について報じたのは「毎日新聞」だけだった。
当然ながら、医師会等利権が減る関係者や団体は、この報告を受けての一部の検査義務づけ撤廃には猛反発している。1000億円ほど(年間)の利権が失われると見られる胸部X線検査についても同様。その彼らの言い分が奮っている。「有効だとの証拠は無いが、有効でないとの立証も無い」から続けろと言っているのだ。
ところが、厚生労働省はこれまでの腐れ縁からの後ろめたさのせいなのか、この報告書について見解を求めると、「毎日新聞の記事は誤解に基づいている」といい、具体的内容を問うと、「補助金を出している研究は山のようにあり、いちいち報告書に目を通してられない。その報告書はまだ見てないから答えられない」、「ノーコメントも困る。部署名はなしにして欲しい」と答える有様。
今回のアスベスト問題もそうだが、いったい、厚労省はどちらを向いて仕事をしているのか。まさに、その姿勢は犯罪的とさえ言わざるを得ない。

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