わずか半年ほどの間に「社員3人が自殺」していることからその件も視野に、さらには地元の指定暴力団「浪川会」(福岡県大牟田市)の壊滅作戦の一環とも見られることなどから、本紙でウォッチし続けている元暴力団組長で、「MRコーポレーション」(福岡県大牟田市)の実質的経営者、中嶋全克被告(冒頭写真。44)ーー。
3度目逮捕の満期勾留を迎えるなか、福岡地検は4月3日、中嶋被告を犯人隠避容疑で起訴、そして起訴勾留になっていることがわかった。
本紙既報のように、中嶋被告が逮捕を免れさせる目的で蔵匿した(匿っていた)のは指定暴力団「浪川会」(本部・福岡県大牟田市)の現役組員・岡野勝英。
岡野は公務執行妨害等の容疑で逮捕状が出ていたが、以前から懇意な中嶋被告は昨年8月21日から29日まで福岡市博多区内のホテルNに、さらに同30日から9月3日まで柳川市内の同じ系列ホテルNに宿泊させていた。
しかも、単に匿うだけでなく、岡野は覚せい剤を使用しており(しかも執行猶予中)、その“クスリ抜き”の目的もあったと思われること、この期間、一緒に食事までしていたことも本紙既報の通り。
中嶋被告は1月29日に暴行容疑で1回目の逮捕(処分保留)、次に傷害容疑で2回目の逮捕(処分保留)、そして今回の3回目逮捕容疑では起訴され、起訴勾留されている(被告人勾留には期限がないが、第1回公判までおよそ2カ月かかることから、少なくともその間はさらに勾留されると思われる)。
関係者がいう。(横写真の左端人物が岡野)
「中嶋は浪川会の前身である『九州誠道会』の会長だった村神長二郎(故人)の実子分でした。とはいえ、2人とも約10年前に引退していたのですが、中嶋は村神のやっていた闇金業の債権回収をしていたし、今回匿った岡野を資金援助し、その代わりに岡野をトラブルの際の“保険”としていた。
それに中嶋の姉は、中嶋が九州誠道会時代に舎弟だったY組長と結婚しており(後、離婚)、そのY組長の組の若頭をやっていたのが岡野という関係。
中嶋はいずれも容疑を否認。今回の岡野の件も逮捕状が出ていたのは知らずホテルを手配していたといっていますが、そういう関係からシャブ抜きのため逃亡資金を渡し、ホテルの段取りもしていたのは明らかです」